• 2024/02/16
  • バレエを始める前に読んでほしい事,その他

発表会出演者にとって大事なこと

知っておこう発表会を支えるスタッフと裏側


まず最初にみなさんが出演する、舞台ですがどんなスタッフが関わり、舞台裏でどういった制作が行われているかご存知ですか?
出ると決めた以上、しっかり備えて欲しいな〜と思うので、紹介します。


まずは遡ること一年前の抽選会から始まります。


川崎市のニュースでも市の抽選会の倍率が問題になってましたね。

まずは肝心のホール抽選から始まります。予約希望したい月の、一年前の1日朝9時に、希望するホールにて抽選会が開始されます。
誰でも、希望した日を簡単に抑えられるということはまずありえないのです。

川崎市で、公演や発表会を企画したい、たくさんの団体さんが毎月の抽選がやってきます。
多い時で70団体以上。平均でも40団体以上が毎月いらっしゃいます。

さらに、抽選会以前に、市が企画する公演などですでに埋まっている日時も多くあり、
土・日・祝を確実に抑えるためには、倍率40倍、50倍の中から勝ち残る必要があるのです。


そのため、毎月毎月何度も1日がくるたびに、朝9時に何が何でも予定を空け、ホール抽選会に足を運び、
ようやく日取りが決まります。多い時は半年間連続で、1日9時にホール抽選へ行き続けた、なんて年もありました。

数年前からルールが厳しくなり、1団体につき代表者1人、抽選は1箇所まで。
ということでルールが改定され(今までは一つの団体が複数名で各ホールに散らばり抽選に参加し当選確率を上げる...なんてことをやっている団体さんがいらっしゃり問題となったことから、公平を期すため新ルールとなったようです。)

祥子先生、永野先生のいずれかでこれまでなんとか毎年取り続けてきましたが、正直運だけで今日まで土・日・祝日(正確には仕込み日も必要なので、土・日・祝日+前日仕込み日の2日間連続を抑えるという、一般より倍率の高い状態)をなんとか取れてきたような状態です。
ここ数年間はホールの改修工事も各所で行われ、抽選を実施しない施設が増えたことにより、大変シビアな状況でした。

「川崎市はバレエが開催出来るような機構のホール数が少なすぎる。それに比べて団体の数が多すぎる」

これが15年前から変わらない悩みの一つです(他のスクールさんも一様の悩みでしょうが。)
どなたか将来偉くなって、是非川崎市にホールを増やしてください(笑)


出演確定後、まずは振り付け。



さて、冗談はさておき、ここからは発表会日時のお知らせが配布され、出演者が決まった後のお話です。
お手紙や連絡事項の数々と並行して、実際に出ると決めた後は、講師が、出演参加人数に応じて作品を考え、振付けを考えます。

途中でやっぱり、、、出ません。という事が難しいのはこのためなんですね。
「途中で投げ出す事はそもそもダメ」という当たり前の話も勿論そうなんですが、人数によって隊列や動きが決まるので、再度振りを変える、動きを変える、他の生徒さんが動きをまた1から覚え直すなど、全体に迷惑がかかってしまうこともあります。


振り付けは、生徒に合わせてアレンジされているものもありますので、オリジナルで1から創作している内容も少なからずあります。
そのために音楽も数秒ごとにテンポを変える修正を行ったり...作り上げたものをまた壊して一から作り直す部分が出てくる。それが、舞台芸術に出演するということなのです。



お衣装選びも大変。


かぶらないように、みなさんの笑顔を想像しながら、各先生たちが考え選んでいます。
そして衣装屋さんの数の在庫も確認しながら、発注していきます。

特にアキバレエスタジオは生徒数が多いので(溝の口校で300着以上、中央林間校で50着程度、大倉山校で200着程度)、在庫の確保などがとても大変。

特大サイズの段ボールで数十箱と届くので、毎年配布するまでスタジオや保管場所の確保も必要です。
(ひえー!!!)

衣装配布の時期がやってくると、事前に先生たちが在庫チェックや、各クラスに配布がスムーズに行くため全ての衣装を、クラスごとに入れ替え作業を行います。男性のスタッフや先生たちで運んだり(力持ち尚輝先生が大活躍)、永野先生がハイエースを運転したり...(笑)みんな総動員で準備します。
当然、発表会当日も今度は、配送するために全員総動員で衣装配送作業を行います。現場は大騒動、まるで運送業者さんのような現場になります(笑)



音楽の編集


※実際の編集の様子  ブログにて<こちら>

さて、踊るためには、音楽も必要ですね。

そのための音楽を細かく編集したり(部分を短く、長く、テンポを一部速くゆっくり)などを行っています。
何年か前までは、音楽クリエーターでもある永野先生がほぼ一人で行っていましたが、この数年一気に生徒の皆様も増え、作品数も増えてきましたので、とんでもない曲数の編集作業になってきました。

そこで、アキバレエスタジオを運営しているSTartcreation株式会社の中にある、
STUDIO STartcreationという、音楽や動画制作を行う部署(宮前区菅生スタジオ)で勤務している工藤健先生が、現在専門で担当して下さっています。


音の簡単な編集なら、アプリなどが普及した昨今、どなたでも簡単に編集できる時代になりました。
しかし、それはあくまで簡単に、簡易的にできるようになった、という意味です。本来、この分野は、しっかりとした舞台を作る以上、専門家に委ねるべき分野です。

素人とプロとの大きな違いですが、やはり音楽を扱いますから、専門的な視点や知識がなくてはいけませんね。
餅は餅屋という話です。

「綺麗な音」で、「踊りやすいように部分ごとにテンポやタイミングなど細かく微調整」「ノイズがのらないように軽減しながら作る」
「構成や音楽的におかしな点がないか?」など、音楽とサウンド制作の専門的観点で編集し、1つ1つ仕上げてくださってます。
ですから、アキバレエスタジオの音編集はプロがしっかり、講師と打ち合わせながら作り上げた、一人一人の生徒の動きに合うように完全にオーダーメイドされた音楽となっています。



作品の順番を決めはパズルのように。




振り付けと音楽、衣装選びが決まったら、次にやることは、全クラスの作品の順番を決めていく作業です。まるでパズルのよう。
溝の口、中央林間合同発表会で、計200名以上。大倉山発表会で100名以上の出演者と、アキバレエスタジオ はどの校舎も、大変生徒の多いスクールです。

週複数回コースの生徒の出番が近くなりすぎないようになるべく配慮されたり、全体的な演出の雰囲気によって飽きさせない工夫がされていたり、衣装のバランス、どの順番の方が華やかに見えるか?など、演目順は多くの視点から、考えることが山のようにあります。
お客様が楽しんでいただけるように。また、全体の構成にも関わってきますから、パズルのように細かく何度もチェックして組み立てる作業は、大変な時間がかかります。


先生方みんなで意見を出し合いながら「あぁでもない、こうでもない」と頭を悩ませながら。

順番を当てはめ、崩して、また当てはめ、いろんな角度からベストな作品順を練っていきます。
闇雲に順番が決まっているわけではなく、大多数の生徒が出演する、数多くの作品数の中で、様々な状況を加味し、何人もの講師らと話し合い決めたベストの順番が作り上げられていくのです。


衣装の発注、メイク、プログラム制作、チケット制作、スタッフ人員確保


中身が決まると、次に行うのは、メイク、プログラムの制作、スタッフ人員の確保です。



メイクについて

2020年より、生徒の拘束時間削減を目指して、メイクをした状態で会場入りしていただくこととなりました。
(元々は幼児〜大人に至るで朝9時入りし、一人一人メイクする工程から始まるため、全出演者が、長時間拘束、待機時間などもより長くありました。)

この施策により、拘束時間の大幅削減に成功しました。

事前に生徒様にはお知らせしておりますが、指定のメイク用品をお配り後はご自宅で練習できるように、当社で以下のような動画を制作いたしました。
是非ご確認ください。



衣装の発注、プログラム制作



※過去の発表会プログラム例。
すべて一からイラストなども描き、デザインし制作されています。


プログラムも、毎年、オリジナルのデザインで作っていきます。
当スクールの発表会では、2名のデザイナー様と長年お仕事をしてきました。
有限会社MON-DeSIGNの中島社長(チラシの作成や、CDのジャケットデザイン、最近では玲代先生、尚輝先生の名刺デザインなど多岐にわたりお仕事いただいております)、水彩画家でデザイナーの雨乃屋藤本のやうさん(永野先生や祥子先生とは、絵本の出版やコンサートでのお仕事を通して10年以上の古いお付き合いのある方)が担当されています。
中島社長はこの道30年超えのベテランデザイン会社の代表者として幅広い提案力と安定感、藤本のやうさんはイラストや絵の制作にも特化した方ということで、発表会のテーマやプログラムの方向性により毎年いずれかのデザイナーさんがご担当いただいています。


業者依頼、スタッフ確保



スタッフの人員もやはり大所帯です。大変多くの皆様が関わります。

ざっくりとですが


表方:受付周りや客席誘導案内などを専門に行う皆様。

公演における表周り(レセプション)の専門業者である、ジェイウイング株式会社様が毎年担当しています。
ほとんどのスクールの発表会において、先生や保護者様が発表会を終日お手伝いし、受付などのサポートも行う。
ということが一般的です。
バレエを習わせている周りの友人ママや、親戚などからよく耳にするお話で
「子供の出番をゆっくり見れなかった」という声は実に多いです。

しかし当スクールでは、餅は餅屋という発想と、先生は受け持ちのクラスや舞台に集中し、
保護者様も、本番中はお子様や、他のクラスの作品をしっかり見ていただきたい。
という思いがございますので、表方にもしっかり専門のプロ業者を配置しております。





裏方:主に舞台を作り進行するスタッフの皆様



舞台監督
(主なお仕事:当日の舞台進行、各演出における照明音響、大道具スタッフへの指示だし、出演者への管理指示だしなど当日舞台を取り仕切ります)
開校以降2010年よりずっと、株式会社Soma Stage Lab(旧相馬舞台研究所)から相馬勝己監督、佐伯美佳監督などが関わっていただいています。


大道具
(主なお仕事:背景のセットや、舞台美術の設置、運搬、舞台転換など。)
東宝舞台(株)様や(有)ユニワークショップ様から多数の皆様が入っていただいています。


照明
(主なお仕事:照明の設置や演出、プランニングなど)
有限会社満平舎様。立川先生、横幕先生をメインに、毎回10名近くのスタッフ様が手掛けてくださっています。


音響
(主なお仕事:貫井先生が主に担当されています。音編集のサポートや当日の音源制作、ダンサーに合わせたタイミングの音出しなど
音に関することをすべてサポートされています。)
有限会社エヌワン様。


その他、劇場(小屋付きと業界では言います)のスタッフ様も複数名サポートに入り、舞台は制作され当日進行されます。


以上が、舞台に関わる主な業者の皆様です。
相馬さん、佐伯さん(代表の大学時代の同期)始め、照明、音響など舞台チームは、井上バレエ団というプロバレエカンパニーでもメインでお仕事しております。皆様の舞台はプロのバレエ団のスタッフチームがそのまま入っていただいて作り上げている、プロと全く同じような演出なのです。



その他多くの皆様がサポートいただいています。

衣装屋さん、用品屋さん

株式会社アトリエヨシノ様、株式会社チャコット様が関わってくださっています。
今年の衣装や、用品、小道具、メイク用品などの販売、貸し出しなどを行っている企業様です。
また、当スクール発表会における毎年のメインスポンサーでもいらっしゃいます。

楽屋まわり

(楽屋で様々なお手伝いをするスタッフ)
先生方はもちろん、アキバレエの先生のお知り合いのバレエ関係舞台関係の皆様、お手伝い保護者様に確定いただいた保護者様など
大変多くの方がサポートしております。

カメラマン:映像業者、写真業者 

合同会社Nビデオさん、株式会社hoopさん(川崎市の映像写真業者様)
株式会社東京アートアイさんなどが毎年関わっております。
発表会終了後の舞台写真や映像のDVDの制作、写真注文など制作と窓口も兼任いただいております。

影アナ:司会進行MC

瀬戸陽子さん、渡邉由衣さん


出演ゲストダンサー

本年3月の発表会では登場しませんが、お馴染みアキバレエスタジオ開校1年目から海田一成さん(東京バレエ)を中心に、
複数名のプロダンサーが、生徒と組む、あるいは必要な配役にて、舞台を盛り上げるべく、皆様の出演のサポートなどをしていただいております。



以上、あげたらもっと多くの方に関わっていただいておりますが、名前を出すとキリがないので主な事業所のみ紹介させていただきますね。
アキバレエスタジオ においては、
溝の口校中央林間校合同発表会において、外部のスタッフが総勢100名近く+校舎の全講師+お手伝いくださる保護者様が動きます。
大倉山校は溝の口の半分の生徒数(100名程度)ですが、それでも50名近いスタッフ様が携わり舞台を作り上げます。

以上が、アキバレエスタジオの発表会で関わっている主なお仕事の皆様のご紹介です。



多くにスタッフが関わる舞台において、当日はとっても時間がタイトな中バタバタしています。

「忘れ物をした」、「お手紙やお知らせを読んでいなかった」、「時間通り行動しなかった」

などは、出演者や多くのスタッフさんにも迷惑がかかります。またクラスの皆さん全体にも影響します。
しっかり先生の言うことを聞いて、事前に何度も確認して、しっかり本番を迎えましょう。

また、どのスタッフさんにお会いしても必ず挨拶をするように。アキバレエスタジオの生徒は礼儀作法をしっかり徹底しましょう。




照明合わせとは



※先日の照明合わせ様子

さて、本番1ヶ月前になると照明あわせなども出てくるため、今回もう一つのテーマである「照明合わせって何?」について解説します。


ここまでに「たくさんのスタッフさんが関わり舞台のためには多くの人、時間、準備が必要なんですよ」
というお話について知っていただけたかと思いますが、そんな舞台を作る上でかかせないのが、「照明合わせ」です。


照明合わせは舞台監督さんを中心に、舞台に携わるスタッフさんの前で本番と同じ踊りを披露する場のことですが、
まず、舞台監督さんというのは、発表会の舞台の全てを仕切り、細かいタイムスケジュールを固め、全ての舞台上の指示を出す権限をもったスタッフさんのことです。



具体的には、
  • 「各演目に何名の出演者が出演するの?」
  • 「個々がどういった衣装を着用するの?」
  • 「舞台上でどんな舞台転換が必要?」
  • 「大道具小道具、どんなセットを使うの?」
  • 「各作品では細かくどんな照明が必要?」
  • 「どんな演出で、どんな音のきっかけ?」


などを、振り付け担当の講師スタッフの希望も聴きながら、調整しまとめていきます。
生徒は、監督を中心に、照明、音響のチーフスタッフの前で、本番と同じ実際の踊りを披露します。


それをもとに、舞台監督・照明・音響、各スタッフへ見せながら細かく協議をし、計画を立てていくための時間です。
以上が、照明あわせに関する解説です。つまりこの照明合わせという時間で、舞台における細かいことが確定されます。
せっかく本格的に、プロが作るバレエの舞台に出演するのですから、皆さんは舞台芸術家の仲間入りです。しっかり一つ一つ覚えながらその世界の魅力を知っていってください。



最後に出演の皆様、保護者の皆様へ


これから大事なお知らせがプリント配布、メール送信、レッスン時の口頭含めてアナウンスされることがあります。
スケジュールや、ルール事項に関わる大事なことなども出て参ります。

ご自宅で必ず目を通していただき、備えていただければと思います。色々ご協力いただく点もございますが、当日スムーズに運ぶため。何卒ご理解いただけますと幸いです。

生徒の皆様へ

舞台は、事前に多くの準備、多くのスタッフ、多くの時間を費やして制作されます。そして、時にはお約束を守れないなどの場合はゲキが飛ぶかもしれません。それは、本気で向き合うことは勿論ですが、皆様が本番を大成功に終わり、ご家族の皆様にも練習の成果をしっかりみて、本番客席で喜んでいただける場になるようにとの思いで一生懸命取り組んでおります。


そのためにこれから、出演の皆様方がやるべきことは、
「しっかり振り付けを覚える。」
「振り付けだけでなく自分の出番までの動きやスケジュールを理解する。」
「ベストの演技で成功に終わるためにしっかり練習などなるべく休まずに頑張る。」
「何より体調万全で本番を迎える」


そして、当日関わる舞台を作ってくださる全てのスタッフの皆様、出演に協力していただいた全ての保護者様に向けて、

「よろしくお願いします。おはようございます。ありがとうございます。」

日々挨拶と感謝を忘れず、しっかり一歩一歩日々の積み重ねで、全員協力で大成功を目指しましょう!


アキバレエスタジオ 





Back

MENU(タップすると開きます)