• 2016/05/18
  • 大塚芽衣コラム

大塚芽衣ブログVol.13【痩せ過ぎは良くない】

最下部で、当スクールのプロインストラクターが、健康的に痩せるためのマル秘テクニックを解説しています♪

是非、最後までお読みくださいね!


痩せ過ぎは良くない

拒食症.png


クラシックバレエでも、フィギュアスケートでも、ジャズでも、演劇でも。
舞台芸術というものを行う人には「スリムさ」というものが求められます。

残念ながら、私には無縁でしたが(泣)(笑)
しかし、特にバレエダンサーには切実な問題で、大きな社会的問題でもあります。
日本ではあまり提唱されてきませんが、欧米やヨーロッパでは、
拒食症や摂食障害が多く、社会問題として国全体、業界全体が改善に取り組んでいます。


 

【痩せ過ぎはなんで悪いの?】
昨今、テレビなどでは、肥満による生活習慣病や糖尿病など、
「肥満である事の悪点」を報道する事が非常に多いです。

マスコミというものは、より視聴率が取れるものを放送するものですから、
世間には太りたい人より痩せたい人が多く、
なおかつテレビを見る40代~50 代の世代を狙い撃ちにした放送内容でないと
視聴率が取れない事を分かっています。

勿論肥満である事も健康を害す原因になることも勿論ですが、
痩せ過ぎ、痩身思考も不健康の原因です。


痩せ過ぎである事の悪点
・免疫力が低い(感染症にかかりやすく、かかった場合長引くことが多い)

・体力が無い(上記のように感染症にかかった場合、
身体を自然治癒させるための体力が無い=風邪が長引く)

・肌が荒れたり、髪、骨がスカスカになる、肩こりが酷くなる
(痩せ過ぎ=頭蓋骨を支えるための肉がない=肩こりという形に陥ります)


・女性の場合、妊娠や出産に深刻な影響を及ぼす

精神に悪影響を及ぼす 確実に統計をとった訳ではありませんが、
痩せ型の人は神経質、太っている方はおおらかな方が多いイメージがあり、
実際、私が今まで出会った人たちも そんな人が多かったように思います。

人間がストレスを感じる事は、このストレス社会で逃れられない事ですが、
それを受け流すおおらかさというのは、あって困る事はありません。
心の平穏のためにはむしろ欲しいぐらいですね。



【本当に怖い拒食症・摂食障害】
体調不良.png
私は以前、拒食症の人に出会った事があります。
元の顔はとっても可愛い方で、性格も良くて、バレエも上手。
私は逆にずっと太っていたし、人見知りだったので、コンプレックスで仲良くお喋りする、
なんてことはなかったですが、リハーサルの時や、舞台の本番など、
ところどころその方が、先生の前で泣き出しているのを見た事があります。

母と一緒に出た舞台で、母から事情を聞いてみると、
「バレエがすごく大好きなんだけど、拒食症で、医者からドクターストップがかかった」
ということが分 かりました。

拒食症とは「神経性食欲不振症」というのが正式な病名です。 


自分の意思とは関係なく、身体が食べ物を受け付けなくなってしまう、
神経性の病気で、ダイエットのし過ぎやストレスなどでなってしまう事が多く、
海外では社会問題となっています。


拒食症は、10代~20代の女性が圧倒的に多いのが特徴です。
精神的なストレスやダイエットがひき金となって発症する場合がほとんどで、
自己肯定ができないために
「痩せないと周囲から認めてもらえない、デブだと言われたくない」

という気持ちから、ダイエットがどんどんエスカレートしていき、
周囲は十分に 痩せていると評価しても、本人は

「まだ太っている。もっと痩せなくてはならない」
と強迫的に考えます。

痩せても痩せても、自己肯定ができないためです。
食べることに対する強い罪悪感を抱くようになります。
体重が減り続けても「太りすぎている」という不安にかられ、
目標体重を遥か下回っても食事制限がやめられず、やがては食べ物を身体が受けつけなくなり ます。

低体重状態に陥り、最悪の場合、死に至るケースも少なくありません。

身長と年齢から割り出した標準体重より15%~20%以上痩せていると、拒食症
と診断されることが多いです。

また、拒食症は過食症の一歩手前と言われています。

身体が食べ物を受け付けない、と言っても、栄養失調になり、
すっからかんになれば、人間も生物ですから、当然栄養を求めます。

それが過食行動につながり、一度陥ってしまうと食べる事をやめられません。
そして、太ることを恐れて、食べた分を全部戻してしまい、結局は栄養にならずに終わり、
また拒食と過食を繰り返すという悪循環になります。




【拒食症になれば、バレエは続けられない】
酷い拒食症になれば、医者は確実に入院を勧めてきます。
それはなぜかと言えば、拒食症の人は免疫力が非常に低く、
外出をすることで感染症にかかったり、怪我をする可能性が出てくるからです。

免疫力が低く、栄養も不足していれば、普通の人にはなんでもない感染症や怪我でも、
それが引き金になって命を落としてしまう事があるからです。

また、
痩せ過ぎではコンクールに出る事ができないことも...。
かの有名なローザンヌ国際コンクールでは、参加者に対し、
Health Policy(健康に関する基準)を設けて、その順守を求めています。

ローザンヌ委員会は、バレエダンサーというのは
確かに見た目という面からスリムであることは必要だが、
一方、身体を極限まで酷使する職業であるため、

栄養状態が良好で、十分な筋肉量・骨密度を含む健康な身体という基礎が無い限り、
プロとしては相応しくない、と考えています。

そのため、
コンクールに参加するためには、ビデオ審査の出願時に、
主治医による証明書を提出しなければなりません。

この中では、身長・体重、生理が始 まっているか(不順ではないか)、
栄養障害の有無、これまでの身長体重の推移、
普段の食生活や食事に対する考え方を、主治医に証明してもらわなければ、
コンクールに出場する事すら叶いません。

 

【拒食症の予防】
バレエ界に蔓延る古くからの問題である拒食症を少しでも予防しましょう。
心の問題である事なので、

まず一番は

•おおらかな心を持つ事、焦らない事
です。

・バレエ以外の趣味も持とう
毎日毎日、バレエバレエバレエバレエ。楽しいかもしれませんが、
それでは「ダイエットしなきゃ、痩せなきゃ」という思考から離れる事はできません。

一つや二つ、バレエとは全く関係のない、バレエを忘れられるような
趣味、ストレス発散法を持ちましょう。

旅行、読書、園芸など、世の中にはバレエ以外でも、
素晴らしく楽しいものがたくさんあります。
少し周りを見渡して、世界は広く、たくさんのものが溢れている事を認識してみましょう。

 

・「孤食」は避けよう
家族で食事.png

食事を一人きりで摂るのではなく、
家族なら家族みんな、友達なら友達と、とにかくみんなで食べましょう。

みんなで仲良く食事をすれば、何倍にも料理が美味しく感じられるし、
食事の時間が楽しみになるはず!
食事=楽しいという環境を作る事が大切です。

食べるという行為は、生きる上で必要不可欠なことです。

まずは食べる事を恐れず、楽しく栄養と食事を摂っていきましょう。
それが自分の普段の生活の充実と、バレエ上達に必ず繋がっていきます。 


 



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